
マヌカの花だけが咲くマヌカの森で養蜂されます

ニュージーランドにしか自生しないマヌカハニー[学名:
Leptospermum scoparium]
ニュージーランドの原住民・マオリ族は、医療的効果があるこの木を、「復活の木」という意味を持つManukaと名付け、万能薬として病気や怪我の治療に使ってきました。1796年ジェームス・クック船長がニュージーランドを探検した際、胃の不調で苦しんでいた船員達にマヌカの葉を煎じて飲ませたり、傷薬として使っていたという有名な話も残っています。
そして現代、1981年にマヌカハニーの父とも呼ばれるピーターモラン博士が、マヌカハニーに特別な抗菌殺菌成分が含まれている事を発見し、しかもそれを数値化することに成功しました。その後多くの科学者によりマヌカハニーの医学的利用が研究され、体内のカタラーゼ酵素の攻撃を受けないというマヌカの独特な性質により、ピロリ菌を始めとする大腸や消化性潰瘍、その他ブドウ球菌や体外の感染症にも高い効果があることが、数百件にわたる臨床実験により実証されています。

大航海時代にマヌカハニーを愛用していた「クック船長」。

1981年ピロリ菌を死滅させるとモラン博士が学会で発表。
マヌカ製品はニュージーランドではとっても一般的なものです。 チョコやハム、石鹸やシャンプーなどなど、生活の中の色々なシーンで普通に使われています。また、マヌカハニー自体も現地のスーパーではたくさん並んでいます。お料理やお菓子作り用など一般的なテーブルハニーとして使われていますが、その多くは健康活性度を含んでないもの。 活性度があるマヌカハニーはわずかに全生産量の20%足らずしかありません。また、最高活性度数値である20+(Premium20+)のものになると、全生産量のわずか3%以下、現地でも入手困難なほど貴重なマヌカハニーなんです。
しかも、昨今の異常気象や、中国でのマヌカハニーブームの影響も受けて、現在、マヌカハニー不足が世界的に起こっていて価格も年々急上昇しています。特に高活性度の10+以上のマヌカハニーは日本にはなかなか入ってこない厳しい状況でもあります。
数十種類のマヌカハニーが並ぶ現地スーパー
ピーター・モラン博士の研究によって、現在では現地分析検査所で測定された抗菌活性度を、ラベルに数値として表記しています。ちなみに、MGS12+というのは、病院の消毒液(フェノール液2%)の約6倍の健康活性度があり、また、その後の数字MGO400は、特別な抗菌性成分であるメチル・グリオキサールが1kgあたり400mg含まれているという意味になります。
2015年1月より、氾濫していた活性度標準の統一にニュージーランド政府が乗り出し、政府の標準として以下の3つの活性度数値の使用が認められています。
MGSマークはモラン博士が認めた証です。
[MGS]モラン・ゴールド・スタンダード
モラン博士が生みの親でもあるUMF(ユニーク・マヌカ・ファクター)をより進化させた。モラン博士が認めたマヌカハニーだけが表示できる、博士自身の名前をつけた新しい活性度標準です。
例)MGS12+・・・病院の消毒液・約6倍の抗菌活性度に匹敵します。
MGSは、マヌカハニーの抗菌活性度を、病院などで使われる殺菌消毒液「フェノール液」と比較することにより数値化しています。ちなみに、医療用具の消毒、手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒には、フェノール溶液2%(~5%)のものが使われています。
[MGO]メチル・グリオキサール
抗菌活性度を特別な抗菌性成分であるメチル・グリオキサールの含有量で数値化する方法です。
例)MGO400・・・メチル・グリオキサールが1kgあたり400mg含まれています。
マヌカハニーには、通常のはちみつには含まれていない「食品メチルグリオキサール」という特別な殺菌成分が含まれています。その含有量を測定しMGO数値としてとして表示したものです。
[UMF]ユニーク・マヌカ・ファクター
これもモラン博士が1982年に提案して、協会を作りスタートさせた最も古い活性度標準です。MGS同様フェノール液との比較で数値化しています。※2008年12月モラン博士は団体を脱退し、新基準MGSを新設。今なおニュージーランドの多くの養蜂会社がこの基準を使用しています。
ニュージーランド現地には、マヌカハニーの抗菌活性度を測定する、正式な試験分析検査所があります。数値表示をしているマヌカハニーは、必ずここにサンプルを送って検査した結果をボトルに正確に表示しなければなりません。また、検査結果は検査所から発行される「分析書」に記載されていますので、この「分析書」の数値とボトルに印字されているBatch番号とを照合すれば、そのボトルの正確な抗菌活性度数値がわかります。
マリリニュージーランドのMGSマヌカハニーは、他のマヌカハニーが通常1回の検査をしているところを、最低2回、多い時には3回以上の検査を実施します。しかも、バッチごとではなく、そのボトルごとに検査をしますので、ボトルごとの正確な抗菌活性度を表示しています。 しかも、検査所で同時にMGO数値も併せて検査していますので、MGS(フェノール数値)とMGO(メチル・グリオキサール含有量)この2つの数値を同時に確認することが出来ます。※世界初の試み

分析工程を確認しましたが、1サンプルごとの正確な測定には驚きました。

分析検査所にサンプルを送って抗菌活性度を測定します。
マヌカハニーは、この活性度数値が高ければ高いほど高値で販売出来るため、ボトルの数値を意図的に高くつけてしまう偽装問題が続出しています。 2013年イギリスのFood & Environment Research Agency(食品&環境リサーチ機構)により行われた調査によると、イギリスで売られている約50%のマヌカハニーに数値の偽装が確認され社会問題になりました。
実際現地ニュージーランドでは、数十社の生産者さんから様々なタイプのマヌカハニーが販売され、日本にも相当数入って来ていますが、正直なところどのマヌカハニーが正確な数値表示をしているかは私達では判断できません。 販売をしているWEBサイトやパンフレットなどで、養蜂場所や養蜂者、生産工程や品質管理などをしっかりと見極めて、一本ずつに正確な試験分析書が添付され、しかも安過ぎず高過ぎず、適正な販売価格のマヌカハニーを見極めることが、これからのマヌカハニー選びに必要だと言えます。